虚弱体質と悪人との出会い

体験談・トラブル解消までの記録

思考ができなくなった日(カサンドラ症候群7)

式から半年、
仕事は、まだ、彼と一緒に行っていた。

二人分の思考も通常通り。

交際中の彼は、
「俺が一番、君を理解している」
「俺ぐらいしか、君の家庭に合わせられない」
「俺とセットだったら、欠点をフォローしあえる」
そんなことを繰り返していた。

私は、22歳から
無年金の母を扶養してきたので、
「うちの家庭に合わせた人生を選択をしなければならない」という考えで生きていた。

自分の希望は、一部を除いて、
我慢、我慢と思っていたので、
洋服えらびと仕事でがんばること以外に、自分を出す場所はなかった。

同じころ、
我々の仕事を知らない幹部が組織改編を行ったことで、
仕事の分担が、5人分を一人で行う体制になった。

彼は仕事ができると思われていたので、
彼の分も含めると、私の業務は、10人分になった。

キャパを超えていたし、
幹部が担当させようとしていた人たちは、
「やりたくない」
「その仕事は必要ない」と嫌がった。

上司の指示で、
そのまま、その業務をせっせとやっていた私は、
やりたくないと言った人たちからは猛攻撃された。

追い込まれたうえに、
彼も、
なぜか、関係者と一緒になって、
わたしの悪口に笑いながら便乗していた。

彼は、自分のスタンスがなく、
都合がいいほうに、さらっと身をこなす。

いじめっ子でもなく、
悪しき中間層であり、すごく嫌いなタイプだと思った。

彼に怒った。
「あなたの分まで、汚れ役をやっているのに、そのまま、悪口いう側に回るって、どういうこと?」と。

うまいぐあいに、謝罪された。
怒りが消えることのない謝罪だった。
今から、結婚やめられないというような趣旨の説得があったように記憶している。

私もまた、引きかえしたら、父への報告など、やっかいで仕方ないとおびえていた。

このころ、
私は、「謝罪している人は許さなければならない」と思い込んでいた。

今思えば、この段階で、愛情は消えていた。
とはいえ、最初から、変に保護する愛しかなかった自分もずれていたのだけど。

(つづく)